失業保険の計算がよく分かるまとめ|基本手当日額の給付額算出方法も

「失業保険の計算って複雑で面倒くさそう…」失業保険の計算は、なんとなく、難しそうなイメージがあるのでは?しかし、自分の退職理由、失業保険の給付の条件を知り、計算ができれば失業保険を計算できるようになるのです。この記事では、失業保険の計算の決まり方や退職理由によって給付金額が変わってしまう理由、失業保険の計算方法に加え、便利な自動計算ツールもご紹介していきます。

失業保険の計算は、年齢、勤続年数、退職理由、直近6カ月間の給与総額より決まる

退職後に受け取る失業保険の総額は、1日当たりの給付金額と、それを何日受け取れるかの給付日数によって決まります。

1日当たりの給付金額は退職前の直近6ヶ月間の給与総額より計算され、退職時の年齢によってその計算式は異なります。直近6ヶ月の給与が多いほど、失業保険の給付金額も多くなりますが、その比率は、低所得者ほどよくなっています。

また、給付日数は年齢と勤続年数(雇用保険加入期間)、退職理由によって決まります。勤続年数が長いほど、給付日数は長くなります。更に、退職理由には「自己都合」と「会社都合」があり、「会社都合」の方が給付日数は長くなります。

退職理由が自己都合で、勤続年数が1年未満の場合は、給付日数が0日で失業保険は給付されません。

失業保険は、1日当たりの給付金額と給付日数によって支給されます。失業保険受給時でも短期で働くことは可能で、収入のあった日は給付金は支給されません。

4週間ごとにある認定日に、給付金が支給される日を認定してもらい、その日数分が後日振り込まれます。給付金が支給された日をカウントし、給付日数に達すると失業保険の支給は終了します。

短期のアルバイトなどで収入を得、給付されなかった日数はカウントされませんので、その分給付される期間は後ろにずれこんでいくことになります。

また、年齢が65歳以上で退職された方は、「高年齢求職者給付金」が給付され、一般の失業保険とは異なります。

失業保険の金額は会社都合と自己都合で約1.5倍から2倍の差も

退職理由には「自己都合」と「会社都合」の2種類があります。自己都合退職とは、労働者からの申し出で自身の健康上の問題や親の介護などの理由で退職したものです。退職届に「一身上の都合で」とあるのは自己都合退社となります。一方、会社都合退社は会社側の都合により退職した場合で、倒産や解雇などがこれにあたります。

退職理由が「自己都合」と「会社都合」では、失業保険の給付日数が異なってきます。会社都合退職の場合は、突然解雇されたり労働者の意に反して行われますので、自己都合よりも給付日数が長くなっています。

給付日数は年齢と勤続年数によって異なります。

●自己都合で退職した場合の日数

 加入期間  1年未満  1年以上     5年未満  5年以上      10年未満 10年以上      20年未満  20年以上
全年齢  なし      90日    90日   120日   150日

 

●会社都合で退職した場合の日数

 加入期間 1年未満  1年以上     5年未満  5年以上      10年未満  10年以上      20年未満  20年以上
 30歳未満    90日    90日    120日    180日        ―
 30歳以上     35歳未満    120日    180日    210日    240日
 35歳以上     45歳未満    150日    240日    270日
 45歳以上     60歳未満    180日    240日    270日    330日
 60歳以上     65歳未満    150日    180日    210日    240日

 

毎月の給付金額は「自己都合」も「会社都合」同じですが、給付日数にこれだけ差があるため、最終的に給付される金額は最大2.2倍にもなります。

退職時には退職理由を「自己都合」としていても、下記のいずれかに当てはまる場合には、「会社都合」に変更することができます。自己都合と会社都合では給付条件や、国民健康保険の減免措置など、待遇面で大きな差があります。しっかり検討してみてください。

  • 会社が倒産

会社が倒産手続き(破産、民事再生、会社更生当)の開始を行った場合、または手形取引を停止した場合。

  • 事業所の労働者が大量退職

事業所の3分の1以上の雇用者が退職した場合、または1か月に30人以上が退職した場合。

  • 事業所の廃止

事業所が廃止、または再開見込みのない状態になった場合。

  • 解雇された

雇用者から解雇された場合。

  • 退職勧告

雇用者から直接的、間接的に退職勧告を受けた場合。

  • 給与の低下

給与が85%未満に減少したとき。残業手当は除きます。給与の遅配が繰り返されたときも会社都合になります。

  • セクハラ、パワハラなどが原因

セクハラ、パワハラ、モラハラ等を在職中に受けたことが原因で退職した場合。

セクハラ・パワハラについて詳しくは以下の記事をご覧下さい。

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失業保険の日額や給付日数を計算できる自動計算ツール

失業保険の給付金額と給付日数を自動計算してくれるサイトとして

失業保険を計算しよう」や「失業保険の給付額を計算!直近6カ月間の給与総額で金額が決まる」があります。

いずれも、退職直前の6か月間の給与(賞与は除く)、年齢、勤続年数、退職理由を入力すると、給付日数、日額手当、手当総数、給付制限の有無が表示されます。

給付日数や日額手当の計算は、条件(年齢、勤続年数、退職理由)によって変わります。複雑な計算式が必要なものもあります。これらの自動計算ツールを使うと、プログラムで計算してくれますので、とても便利です。

給付日額、給付日数、給付総額、給付制限などが退職前からあらかじめわかっていれば、再就職までの生活設計に役立てることができます。

また、退職理由が「自己都合」と「会社都合」でどれくらい差があるのかもわかります。差額が大きいことに気づけば、「自己都合」で退職しようと思っている人も、「会社都合」になる条件はないかもう一度よく考えるチャンスにもなります。

失業保険はいくらもらえるか、雇用保険の支払額について

失業保険の給付金額(日額)は退職直前の6ヶ月分の給与を元に算出されます。この中に賞与は含まれません。また、1月の労働日数が11日を下回る場合は、その月を除外し、その分さかのぼって計算します。

直近6ヶ月の給与を合計して、180で割ったものが賃金日額となり、これに給付率(50-80%)を掛けたものが、給付日額となります。

給付率は各年齢ごとに5段階に分かれており、賃金の低い方より81%以上、80%、50~80%、50%、49%以下となっています。

  • 退職時の年齢が30歳未満
賃金日額 給付率
2,289円以下 81%以上
2,290~4,579円 80%
4,580~11,610円 50~80%
11,611~12,740円 50%
12,741円以上 49%以下

 

  • 退職時の年齢が30-34歳
賃金日額 給付率
2,289円以下 81%以上
2,290~4,579円 80%
4,580~11,610円 50~80%
11,611~14,150円 50%
14,151円以上 49%以下

 

  • 退職時の年齢が35-44歳
賃金日額 給付率
2,289円以下 81%以上
2,290~4,579円 80%
4,580~11,610円 50~80%
11,611~14,150円 50%
14,151円以上 49%以下

 

  • 退職時の年齢が45-59歳
賃金日額 給付率
2,289円以下 81%以上
2,290~4,579円 80%
4,580~11,610円 50~80%
11,611~15,550円 50%
15,551円以上 49%以下

 

  • 退職時の年齢が60-64歳
賃金日額 給付率
2,289円以下 81%以上
2,290~4,579円 80%
4,580~10,460円 45~80%
10,461~14,860円 45%
14,861円以上 44%以下

 

  • 退職時の年齢が65歳以上
賃金日額 給付率
2,289円以下 81%以上
2,290~4,579円 80%
4,580~11,610円 50~80%
11,611~12,740円 50%
12,741円以上 49%以下

 

給付額は年齢・賃金によって給付率が異なっています。賃金が高かった人ほど給付金は高くなるのですが、実際の給付金額の計算は、単純に給付率を掛けるだけではなく、各年齢、各賃金日額によって計算式が5種類あり、複雑なものになっています。

1日あたりもらえる失業給付金「基本手当日額」を算出方法

基本手当日額を計算する方法は以下になります。順番ごとにご紹介していきます。

1.離職票-2、または直近の給与明細6か月分を用意する

退職直近の給与6か月分から、賃金日額を計算しますので、離職票または給与明細書6か月分を用意してください。この時賞与は合計に含まれませんが、残業代や手当は含まれます。また、1月の労働日数が11日を下回る場合はその月を除外して、1月分さかのぼります。

2.賃金日額を算出する

失業保険の給付は、日額で計算して支払われますので、計算のもとになる賃金日額を算出します。

賃金日額=退職前の6カ月間の給与総額÷180日

退職前6か月間は各月30日として30×6=180日として計算を行います。

3.基本手当日額の早見表にある賃金日額と年齢より数式を見つけ、基本手当日額を算出

最後に基本手当日額の早見表より、先ほど計算した賃金日額と年齢より計算式を見つけてください。

例えば、賃金日額が1万円で、年齢が58歳の人は計算式①が当てはまりますので

(-3x10000x10000+69980×10000)/70300=5687

基本手当日額は5,687円となります。

計算式は単純に、賃金日額x給付率の場合もありますが、複雑な計算をする必要のある場合もあります。賃金日額が高額な場合は、上限額が設定されていてその額がそのまま給付日額となります。

失業保険の計算を参考に、退職後のお金についても考えよう

失業保険の計算の仕方は、これでお分かりいただけましたでしょうか。現在在職中で、退職を考えていらっしゃる方は、退職後に給付される失業保険がいくらで何日間なのかをあらかじめ計算し、退職後の生活設計にお役立てください。給付制限(3か月間)のあるなしも重要です。

また、退職理由が「会社都合」の場合は、「自己都合」よりも給付期間が1.5倍から2.2倍長くなり、給付制限もありません。また、国民健康保険の減免制度もあります。

退職理由が「自己都合」なのか「会社都合」なのかよく検討してください。すでに、「自己都合」で退職していても「会社都合」に変更できる場合もあります。不利益を被らないように十分ご注意ください。

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