失業保険の扶養に関する基礎知識|扶養条件や必要書類、よくある質問も

なにかの都合で退職せざるを得なくなり、職を探すまでの生活を助けてくれる失業保険。しかし、税金を払いながらの受給金額では生活がつらいので、扶養に入りたい・・・という方も多いと思います。この記事では失業保険を受給しながら扶養に入れるのか、扶養に入る・外れる場合の手続きの仕方、国民健康保険に切り替えるタイミングや手続きの仕方、必要書類などわかりやすく解説していきます。

失業保険の扶養に関する、2種類の扶養

扶養に入ることによって、様々なメリットが発生するのは皆さんご存じだと思います。しかし、失業してしまい、失業保険を受給している方は扶養に入ることが出来るのでしょうか?その条件等について考察してみたいと思います。

健康保険・年金の扶養

”将来にわたっての収入見込み額が130万円未満”の場合に扶養に入ることが出来ます。これは今後1年間見込み金額を指します。

税金の扶養

税法上の扶養に入るためには更に厳しく、収入見込額が103万円未満出なくてはいけません。ちなみに、この103万円という数字がある障害となって、主婦の皆さんがパートの総支給額を気にしながら働かなければならないのです。

扶養保険を受給中、健康保険の扶養に入れる人と入れない人の違い

扶養保険を受給していますが、実は、「健康保険の扶養に入れる人」と「入れない人」がいるのです。

年収130万円未満の場合、扶養に入れる

健康保険の扶養に入るためには上記の通り、”今後一年間、将来にわたって見込まれる収入額が130万円未満”である必要があります。これには交通費や失業保険で受給した金額も含まれますので、

130万円÷12ヶ月=10,8333円

これ以上の額の失業手当を受給している場合、健康保険の扶養に入ることができません。

日額になおすと、

月額108,333円÷30日=3,611円

これ未満の受給である場合に限り、失業保険を受給しながら健康保険の扶養に入ることが出来るのです。

退職後、扶養に入る場合の手続き

退職後、すぐに扶養に入れるわけではなく、扶養に入るには必要な書類があり、手続きも必要となります。以下、ご紹介していきます。

必要となる書類

退職後に扶養に入る準備として、以下の書類を用意しておいてください。

1,退職日のわかる書類

退職証明書や退職理由証明書など、退職日が具体的に記載されている書類を用意しましょう。退職表が一番わかりやすいですが、手続が終わってから交付されるものなので、この中では一番入手に時間がかかります。

2,失業保険を受給するかどうかがわかる書類

退職して、失業手続が終了すると年金手帳と共に雇用保険受給資格者証が帰ってきます。これをもって失業保険の受給申請をしますので、受給する場合は入手後に手続を進めましょう。

失業保険の手続きと必要なものについては以下の記事で詳しく説明していますので、是非ご確認ください。

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3,身分証明書

免許証があれば免許証、パスポートなど写真付きの公官庁発行の身分証明が必要な場合があります。また、法改正によってマイナンバーの分かるもの(マイナンバーカード、通知カードでも可)も必要になります。

4,(国民年金の扶養に入る場合)

国民年金の扶養に入る場合には、基礎年金番号が必要です。前述の雇用保険受給資格者証と共に手元にあるはずですので、活用しましょう。

これらを揃えたら、扶養異動届を記入して提出します。これは年金事務所にありますので、その場で記入してもいいですし、インターネットでも入手出来ます。

雇用保険を受給し、扶養から外れる場合の手続き

では、雇用保険を受給し、扶養から外れることになる場合の手続きはどうでしょうか。

離職後、健康保険の扶養を外れる場合は、国民健康保険への切り替えが必要

失業保険の受給が開始されると、会社から扶養から外れるように促される場合もあります。受給を開始したら扶養を外れ、必ず国民健康保険に加入しましょう。

この際、国民健康保険に加入しないと、いわゆる「無保険状態」になってしまいます。この状態で病院にかかると全額自己負担となり、障害が残った場合でも障害年金の受給ができないなどの不利益が予想されます。

かならず国民健康保険の加入の手続をしましょう。

扶養保険を受給するための、国民健康保険への切り替えるタイミングはいつが良い?

では、扶養保険を受給するにはどのようなタイミングで国民健康保険に切り替えればよいのでしょうか?

給付制限がない場合は、離職後すぐ国民健康保険と国民年金に加入

「会社都合」や障害などの理由で退職する場合には、退職後すぐに失業保険の受給が可能です。失業保険を受給する意思がある場合には直ちに手続をし、国民健康保険と国民年金に加入しましょう。

「会社都合」「自己都合」どちらの理由で退職したかは、今後の失業保険の支給額が大きく変わってくる要素ですので、自分がどちらなのか以下の2記事でご確認ください。

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給付制限がある場合は、給付制限期間の後、失業手当受給を開始する

自己都合退職などの場合、失業手当の受給まで3ヶ月の待機期間があります。したがってこの3ヶ月だけでも扶養に入ることで保険料などを大幅に節約することができます。受給が開始されたら、速やかに扶養から外れ、国民健康保険と国民年金に加入手続をとります。

失業保険の受給が始まった場合、国民健康保険へ切り替える際

扶養から外れる手続をとります。扶養異動届を役所に提出し、国民健康保険に加入しましょう。

繰り返しますが、絶対に加入して下さい。

無保険期間が長くなれば、将来障害が発生した場合などの給付計算が正しく行われなくなる場合があります。

国民健康保険への切替手続きで持参する必要な書類等

国民健康保険に切り替える際、必要書類を持参して手続きすることになります。以下、国民健康保険への切替手続きで必要となる書類をご紹介します。

喪失連絡票、雇用保険受給資格者証など

失業手当の受給には半年以上雇用保険に加入していることが必要です。離職の際に渡される雇用保険受給資格証がないと、その加入の証明ができませんので、なくさないように保管しておきましょう。

本人確認証明書

免許証があれば免許証。パスポートも利用できます。また、最近ではマイナンバーが分かるものを持参すれば、下記のマイナンバー関連資料としても仕えますので、お薦めです。

印鑑

シャチハタは不可です。朱肉を使用する物であれば、何でも構いません。

マイナンバーが分かるもの

扶養に入る際に用意した書類と同様で構いません。役所の健康保険窓口で手続が可能です。

特に忘れがちなのは、法改正によって新に必要になったマイナンバーカードです。後述しますが、マイナンバーカードの提出によって扶養関連のズルはできなくなりました。役所は必ず確認しますので、忘れず持参しましょう。

失業保険の扶養に関するよくある質問

ここでは、失業保険の扶養についてよくある質問をまとめました。失業保険の扶養についてしっかりと理解しましょう。

扶養に入ったまま失業保険を受給し、バレた場合はどうなるか

提出書類にマイナンバーカードがあることは既にお話しました。確かにかつては失業手当を受給しながら扶養に入る、といった荒技も可能でした。それは

失業保険が「非課税所得」である

という前提に基づいて行われた行為だったのですが、マイナンバーによって個人のお金の流れが課税非課税にかかわらず各省庁横断的に管理されるようになりました。

したがって、扶養で申請しても失業保険を受給していることは役所も把握可能ですので、このようなことは今後できなくなりました。

ちなみに、失業保険を受給中にアルバイトなどで給与が発生した場合にも、かつては申告しなければバレなかったこともあります。これもマイナンバーで全て確認されますので、やめましょう。

これらの不正行為がバレると、公文書不正記入、不正受給として訴訟を起こされることになります。

失業保険の受給が終了した際、扶養はどうすればよいか

例えば前職の関係で失業保険が短期間しか受給できなかった場合や、受給期間以後も求職活動を続ける場合には、個人が支払う年金や健康保険料を考えると、総量規制の範囲内であれば再度扶養に入るのが得策です。

失業保険を受給するのと扶養に入るのは、どっちが得か

失業保険受給金額は直近6ヶ月間の給与額で決まります。したがってその期間の給与がとても少なかった場合、受給金額も少なく、受給期間も短くなります。扶養に入りつつアルバイトをした方がいいのか扶養に入らず失業保険を受給するのかなど、総合的に検討しましょう。

失業保険は非課税で、扶養控除など税金の扶養を受けることができるのか

失業保険は手当であって収入とは見なされません。税法上の扶養とは税金の額を決定するものですので、非課税の手当は関係ありません。

この記事では健康保険加入に際して130万円未満である必要があると書きましたが、税法上は関係ありません。

その年の収入が103万円未満であれば、税法上の扶養に入ることができます。

失業保険の扶養に関して、計算をして慎重に決めよう

扶養に関しては、健康保険の扶養と税金の扶養とがごっちゃになり、非常に分かりづらいものになっています。しかし、この二つは分けて考えること、それぞれの役所によって数字まで異なっているということが分かっていれば、難しいものではありません。

計算の際には自分が受給できるであろう失業保険の金額や、支払わなければならない税金の金額などを総合的に考えて、適切に対処していきましょう。分からないことがあれば、お近くの役所でも相談窓口がありますので、ぜひ活用して下さい。

 

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