無断欠勤による解雇基準は?自分が損する理由とスムーズな退職方法

 

 

無断欠勤は社会人として絶対にしてはいけないことです。

しかし、無断欠勤の理由には色々あり、「パワハラがつらくて」「連絡したかったが携帯電話が壊れたなどで連絡を取る手段がなかった」など、無断欠勤をせざる負えない事情の場合があります。

この記事では、無断欠勤でどのような条件で解雇になってしまうのか、どうしたら無断欠勤になってしまうのか、無断欠勤したら会社はどのような対応をとるのか、無断欠勤したいほど会社を休みたいときにはどうしたら良いのかなどをご紹介していきます。

 

無断欠勤の定義は?

予告なく勝手に会社を休むことを無断欠勤といいます。ただし報告がなくても無断欠勤として扱われない例外のケースもあるので、確認しておきましょう。以下3つの無断欠勤の定義について紹介します。

  • 予告なく自分の都合で会社を休むこと
  • 事故や災害、病気による欠勤は無断欠勤の対象外
  • 職場のハラスメントが原因の無断欠勤も対象外

予告なく自分の都合で会社を休むこと

事前の報告なしに、自己判断で出社せず、会社を休むことを無断欠勤といいます。会社を休むならば、きちんと上司へ連絡を入れるのが原則です。体調不良などの突発的なものでない限り、数日前から予告をしておくのが望ましいでしょう。そうすれば、当日の仕事をスムーズに上司や同僚に引き継げます。

事故や災害、病気による欠勤は無断欠勤の対象外

予告なく休むことのすべてが無断欠勤ではありません。たとえば病気で倒れてしまって連絡ができない状況になってしまったり、事故にあってしまってやはり連絡を入れる時間がとれなかったりすることがあります。これらは事前に予測することが難しいため、結果として出社できなくとも無断欠勤とはみなされません。

ただし、その際は後から事情をきちんと説明しましょう。証拠として、病気であれば診断書の提示を求められることもあるため準備しておいてください。

職場のハラスメントが原因の無断欠勤も対象外

職場の人からパワハラやセクハラを受けてしまい、精神的につらい気持ちになることがあります。特に欠勤を報告するべき上司からのハラスメントに悩んでいると、精神的に追い込まれて無断欠勤してしまうこともあるでしょう。

このような事情の場合も、後でハラスメントが原因であることを証明できれば、無断欠勤として扱われません。

事故や病気の場合も同様ですが、あくまでも無断欠勤は本人の勝手な都合によるものが対象となります。本人にはどうしようもない理由がある場合は、その事情を考慮してもらえるので安心してください。

 

無断欠勤で自分が損する理由

無断欠勤をすると、会社で信頼を失ったり、失業保険を受けられなかったりするなどデメリットが多いです。具体的には以下4つのデメリットがあります。では、無断欠勤で損をしてしまう理由を詳しく見てみましょう。

  • 会社で築いた人脈がムダになる
  • 失業保険が受けられないリスクがある
  • 職歴に傷がつく
  • 倫理的・法律的に見ても反社会的行為

会社で築いた人脈がムダになる

無断欠勤をすると、一緒に仕事をする大勢の人に迷惑をかけてしまうでしょう。そのため、一度でも無断欠勤をしてしまうと、信用を大きく損ないます。

仕事に対する責任感がないとみなされるため、「また急に無断で休まれたら困る」という思いから、大事な仕事を任せてもらえなくなるかもしれません。 たとえ無断欠勤そのものの処分が軽かったとしても、以前と同じように働けなくなる可能性は高いでしょう。

無断欠勤を重ねたことで人間関係にひびが入って職場にいづらくなり、結局退職してしまうというケースもあります。出世にも影響するため、これまで描いていたキャリアパスも崩れてしまいます。

失業保険が受けられないリスクがある

長期の無断欠勤は、そのまま解雇される可能性があります。無断欠勤による退職は、失業保険を受けられないリスクがあるため覚えておきましょう。

失業保険は働く意志のある方のための保険です。働く意欲が欠如していた解雇処分を受けた方に対しては、保険金が支払われないケースがあります。

失業保険は退職してから再就職するまでの重要な収入源となります。経済的に厳しい生活のなかで転職活動をするのは困難です。失業保険の受給ができないリスクがあるのは、無断欠勤の大きなデメリットといえるでしょう。

職歴に傷がつく

もし無断欠勤によって解雇されてしまうと、再就職も厳しくなります。面接では前の職場を辞めた理由を話す場面が必ずあるからです。そこで嘘をついたとしても、調べればすぐにわかってしまいます。無断欠勤で会社を辞めた人は信用できないとみなされ、評価もされません。

倫理的・法律的に見ても反社会的行為

会社で働くということは、雇用主と雇用者の契約です。就業規則を守って、働くことが求められています。

しかし、無断欠勤というのは、契約違反をしているようなもの。倫理的に許されるものではなく、法的にも悪質な行為とされているのです。無断欠勤は職場に迷惑をかけるばかりか、倫理・法律にもとる行為であることを理解しておきましょう。

 

会社が無断欠勤した社員を解雇する基準

無断欠勤をすると、会社を解雇されてしまう可能性があります。ただし、1度の欠勤でいきなり職を失うことは基本的にありません。では、無断欠勤した社員が解雇される基準はどこにあるのでしょうか。

2週間程度の無断欠勤は解雇事由

1日の無断欠勤程度であれば、その場で解雇されることはほとんどありません。しかし、無断欠勤が長く続くと、就労の意思がないとみなされ、解雇される可能性が高いでしょう。

一般的には2週間以上にわたり正当な理由なく無断欠勤をしているようであれば、解雇事由として認められます。

労働者は簡単に不当に解雇されないよう法律によって守られていますが、それは労働者が正しい行いをしていて、働く意思を持っていることが前提です。詳しいルールは会社の就業規則を確認すると良いでしょう。

会社の就業規則により解雇の基準となる期間が変わる

解雇については、それぞれの会社が就業規則によって詳細なルールを定めています。具体的な解雇基準を知りたい場合は、就業規則を確認してください。

2週間の無断欠勤で即解雇となる場合もありますし、もっと長く続いても解雇に至らないこともあります。

ただし、数日程度の無断欠勤が解雇事由とする規則になっているなど、就業規則自体が不当とみなされれば懲戒解雇が認められない場合も考えられます。その点についてもよく確認しておいてください。

社員が出社命令を拒否すると解雇の期間は短縮

無断欠勤があると、まず会社は出社命令を出します。欠勤している社員に連絡をとり、出勤の催促をするのです。このときに連絡を無視したり、出勤催促に応じなかったりすると、意図的な欠勤であることが明らかなので、解雇までの期間は短くなるでしょう。

基本的に、会社は従業員を簡単に解雇できません。それでも、正当な理由があると認められれば、あっさり解雇されるケースもあります。無断欠勤の場合は、期間の長さだけではなく、連絡がつかない、普段から遅刻や欠勤が多いといった事情も考慮されます。

ケガや病気でも連絡できない理由が求められる

もちろん、ケガや病気のために無断欠勤したならば、それは許されるケースがあります。しかし、たとえケガや病気をしても、ほとんどの場合、自分で会社に連絡をすることは可能です。その連絡を怠った場合は、その正当な理由が必要となるでしょう。

やむを得ない事情がなければ、ケガや病気の場合でも無断欠勤とされる可能性があります。 たとえば意識を失うほどの事態に陥っていたならば、自力で連絡することはできません。

しかし、意識がはっきりとしていて、自分の足で病院へ向かったならば、会社にも連絡できるはずです。連絡ができなかった場合は、客観的に見ても納得のいく状況であったことを証明する必要があります。

 

無断欠勤した社員への会社の対応

無断欠勤すると、最初は会社から連絡が来て、出社命令が出されます。それを放置すると退職勧奨、解雇と進みます。無断欠勤をした社員に対して会社のとる対応を順番に見ていきましょう。

  • 会社から連絡が来る
  • 出社命令が下される
  • 退職勧奨が届く
  • 解雇(普通解雇または懲戒解雇)

会社から連絡が来る

無断欠勤をした社員に対して、会社はまず連絡を入れます。これによって、欠勤をした事情を聞き出そうとするのです。ひょっとしたら、自宅で倒れていたり、事故に巻き込まれて意識のない状態であったりするかもしれません。

電話をしても出なかった場合には、親族や仲の良い社員などに事情を確認します。重大なトラブルがないことがわかったら、そこで初めて無断欠勤であると判断するのです。

出社命令が下される

正当な理由なく社員が会社を休んでいることがわかっても、すぐに解雇されることはありません。まずは出社命令を出すことになります。出社命令は書面によって行われることが多く、出社命令を出したという証拠が残ります。

出社命令が無視された場合には、何度か書面によって通知が繰り返されます。 出社命令に退職届が同封されていることもあります。これは、出社命令と同時に、後述の退職勧奨も届けられているためです。

退職勧奨が届く

退職勧奨とは、社員に自己都合で退職をさせることを目的に通知される書面です。無断欠勤したからといって、簡単に解雇することはできません。労働者の権利が法律によって守られているからです。

会社都合で自由に解雇ができると、不当な解雇が蔓延してしまうリスクもあるでしょう。 したがって、退職勧奨が届くのは、不当解雇ではないことを表す意味もあります。退職勧奨はあくまで自主退職を促す手続きのため、最終的な決定権は社員が持っています。

解雇(普通解雇または懲戒解雇)

もし出社命令に応じず、退職勧奨にも応じないのであれば、最終手段として解雇となります。解雇には普通解雇と懲戒解雇があり、懲戒解雇はより重い処分です。 普通解雇は信頼関係が破壊されたことにより雇用契約を終了させるというもの。

一方、懲戒解雇は制裁の意味合いが含まれているため、簡単にできません。したがって、たとえ無断欠勤が長く続いたとしても、懲戒解雇までは認められないこともあります。懲戒解雇を受けた社員が、不当解雇であるとして逆に会社を訴えるケースもあります。

 

無断欠勤したいくらいつらいときに考えるべきこと

無断欠勤したくなるほど会社がつらくなってしまったら、まずは周囲に相談をしたり、退職代行サービスを利用したりしましょう。この章では、以下5つの無断欠勤したくなったときに考えるべきことを紹介します。

  • 職場で起きたハラスメントの証拠を記録する
  • うつ病であることを証明する
  • 信頼できる上司がいるなら相談する
  • 退職希望の旨は対面で伝達するのが理想
  • 退職代行サービスを利用する

職場で起きたハラスメントの証拠を記録する

もし休みたくなった理由が職場のハラスメントであれば、自分が休むよりもハラスメントを訴えることを考えましょう。

そのためにはきちんと証拠を集めておく必要があります。どのような言葉をかけられたのか、どういうことをされたのか、日時とともにこと細かく記録してください。 もちろん、メモだけではなく録音をしたり、動画で撮影したりできれば、より証拠としての効力が高くなります。

動かぬ証拠を提出することができれば、会社が真剣に対応してくれるでしょう。最近は世間的にもハラスメントが問題視されているため、取り合ってもらえない可能性も低いです。

うつ病であることを証明する

もしあなたが精神的に参っている状態ならば、それはもしかするとうつ病の症状かもしれません。一度病院で診断を受けてみることをおすすめします。もしそこでうつ病だと判明すれば、無断欠勤には該当しません。治療に専念するために、しばらくの間は会社を休んで静養しましょう。

うつ病というのは自分で判断できるものではありません。カウンセリングや薬の処方で過ごしやすくなる可能性もあるため、精神的につらいときには、医療機関を頼ることをおすすめします。

信頼できる上司がいるなら相談する

もし信頼できる上司がいるならば、その人に相談することで仕事のつらさが軽減されるかもしれません。理由を話すことで、部署異動や仕事内容の変更など、具体的な対処をしてくれることもあります。その場で切り出しづらくてタイミングがつかめない場合は、「相談がある」と社内メール等で伝えてみてください。

退職希望の旨は対面で伝達するのが理想

どうしても会社の環境が悪くて限界を感じているならば、会社を辞めてしまうのも手です。そこで躊躇していては、心身をさらに壊してしまうかもしれません。ただし、無断欠勤は悪手です。

退職希望については、対面できちんと上司に伝えましょう。そうすることで、できるだけトラブルを避けて会社を辞めることができます。 もし会社を辞める際にトラブルが起きてしまうと、再就職する際の評価にも影響してしまいます。

また、対面で伝達することによって、退職金や失業保険、有給消化について漏れなく確認が可能です。対面で話し合ったうえで退職の希望を伝え、手続きを進めましょう。

退職代行サービスを利用する

そもそも、上司からパワハラを受けていたり、人間関係に問題があったりするケースでは、退職手続きのために会社へ行くのも難しいかもしれません。この場合は退職代行サービスを使う方法があります。

依頼すると、自分の代わりに退職の手続きをしてもらえるため、会社の人と顔を合わせる必要はありません。 もう会社の人たちと一切関わりを持ちたくない場合には、最終手段としてこちらを利用しましょう。

法的には退職代行サービスを利用した退職でも問題はありません。きちんと書類の手続きさえすれば、円満に退職できるでしょう。 もちろん、退職代行サービスには費用がかかってしまいます。

しかし、円満に退職できれば、退職金を受け取ることや、有給休暇の消化も可能です。無断欠勤による解雇よりもずっとスムーズなので、会社へ行くのがどうしてもつらい方は検討してみてはいかがでしょうか。

 

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無断欠勤が原因で解雇されてしまったときにすべきこと

もし無断欠勤で解雇されてしまったら、実働分の給与の請求や、失業保険の受給手続きを行いましょう。無断欠勤による解雇の際にするべき4つのことを紹介します。

  • 給与や賞与は無断欠勤から2年以内に請求する
  • 解雇による処罰が重いと感じたら訴訟を起こす
  • 自己都合の退職をお願いする
  • 失業保険を受給する

給与や賞与は無断欠勤から2年以内に請求する

たとえ無断欠勤をして解雇されたとしても、実際に働いていた分の給与や賞与を受け取る権利はあります。もし給与や賞与を会社が支払わないならば、それは違法な行為です。無断欠勤があっても、正当な理由がなければ金銭面のペナルティを与えられることはありません。 解雇された後でも、給与や賞与についてはきちんと確認と請求をしましょう。

ただし、請求権は法律によって2年間が期限とされています。これを過ぎてしまうと請求することができなくなるため注意しましょう。

解雇による処罰が重いと感じたら訴訟を起こす

もし数日程度の無断欠勤で解雇されたとしたら、それは処分が重すぎます。不当解雇とみなされる可能性が高いため、訴訟を起こすのも手です。

裁判所が、これまでの勤務態度や会社の環境を考慮して、最終的な判断を下してくれます。解雇に納得できなかった場合は、訴訟提起や、労働審判申立によって現状を訴えましょう。 労働審判というのは個人手でも手続きしやすく、不当解雇を訴えやすいです。

ただし、企業側も弁護士を雇ってくる可能性があるため、こちらも弁護士を雇いましょう。最終的な裁判の結果には、両者とも従わなければなりません。きちんと準備をして臨んでください。もし勝訴したならば、裁判中の給料を要求するほか、改めて退職することも可能です。

自己都合の退職をお願いする

解雇されそうになった場合、自己都合の退職をお願いするのも一つの方法です。まず、自己都合退職であれば、経歴に傷がつかないため、再就職で有利となります。

また、失業保険の金額も自己都合退職の方が高くなるでしょう。受給日数や給付制限においても不利になるため、次の就職先が見つかるまでの生活は厳しくなります。会社側とのトラブルを避け、自己都合退職をするという選択肢も検討しましょう。

失業保険を受給する

たとえ無断欠勤が理由で解雇されたとしても、失業保険の受給権利は存在します。会社の方でも失業保険の準備は進めているでしょう。解雇された後は離職票の発行を行い、失業保険の手続きを進めてください。

ただし、失業保険の給付には条件があるため気をつけましょう。いつから、どのくらいの金額を受け取れるかはこれまでの給与や退職理由によって異なるため、よく確認してください。

 

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まとめ

予告もなく自分の都合で会社を休む無断欠勤は、信頼を失ったり、職歴に傷がついたりとデメリットばかりです。最悪の場合は解雇されることもあるでしょう。無断欠勤をするほど会社に行くのがつらくなってしまったら、その前に周囲に相談する、退職代行を利用するなどして円満な解決・退職を目指してください。

 

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