失業保険の延長できる条件や手続きに関する全知識|失業保険の延長の基礎知識も

失業保険を受け取る場合、受給の日数を延長できる個別延長給付や、受給の開始を延長できる受給期間延長などの制度を利用することができます。この記事では、各制度の概要や申請可能な条件をわかりやすく丁寧に解説します。尚、雇用保険は毎年法改正が行われるため、その都度最新の情報を確認する必要があります。

失業保険の正式名称は「雇用保険」

失業保険とは、正式名称を雇用保険といい、労働者が何らかの理由で離職をした場合、次の就職先を探す期間の生活を保障するための保険制度です。

失業保険については以下の記事で詳しくご紹介していますので、併せてご覧ください。

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失業保険を受け取る条件は、以下の3点です。

  • 就職する意思があること。
  • 転職活動中であること。
  • 離職前の2年間に、被保険期間が12ヶ月以上あること。

以上の条件を満たせば、次の就職先が見つかるまでの間に失業保険を受け取ることができます。

転職活動中に雇用保険から給付される保険金を「失業等給付」と呼び、被保険期間及び「会社都合」での退職か「自己都合」での退職かといったように離職理由に応じて受給期間が90日、120日、150日と変動します。しかし、対象者であればこの受給期間を延長することが可能です。

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失業保険の延長は2種類

失業保険の延長には2種類あり、単純に失業保険がもらえる受給期間を延長する個別延長給付と、失業保険の受給開始時期を延長する受給期間延長に分かれます。それぞれについて簡単にご紹介いたします。

1.個別延長給付

失業保険の受給期間を延長する個別延長給付では、受給期間が延びる分トータルで受け取る金額が増えるということになります。しかし、個別延長給付が認められるには一定の条件があり、その条件に当てはまる人のみが受給期間を延長できます。

雇用保険法は毎年何らかの改正が行われ、個別延長給付が受けられる条件についても平成2941日から従来のものとは変更になりました。具体的な条件については後述します。

2.受給期間延長

受給期間延長とは、失業保険の受給開始を延長できる制度のことを指します。

通常、失業保険は離職した翌日から1年以内に受給を開始しなければなりませんが、育児や介護、病気、怪我などで連続して30日以上働けない理由がある場合、受給開始を最長で3年間先延ばしにすることができます。

例えば、出産を機に退職した場合、子供がある程度成長するまで母親は育児に忙しく、就職活動ができません。しかし受給期間延長を利用すれば、子供がある程度成長し、就職活動が行えるようになってから失業保険を受け取ることが可能になります。

失業保険の個別延長給付で、延長できる条件・対象者

失業保険の受給期間が延長できる個別延長給付ですが、平成2941日以降の法改正により、制度や条件が変更になりました。

従来の個別延長給付という制度が、「地域延長給付」と「個別延長給付」という2種類の制度に分かれ、それぞれ従来よりも対象者が大幅に縮小されました。

まず、「地域延長給付」を受けるためには、以下の条件に当てはまる必要があります。

  • 有期労働契約の更新がされなかった特定理由離職者、又は会社都合により離職した特定受給資格者であること
  • 厚生労働大臣により、「雇用機会が不足している地域」と認定された地域に居住していること

地域延長給付は平成2941日から5年間の暫定措置です。

一方、新しく制定された個別延長給付の対象者は以下の条件に当てはまる人になります。

  • 有期労働契約の更新がされなかった特定理由離職者、又は会社都合により離職した特定受給資格者であること
  • 難治性疾患や発達障害などを抱えている方
  • 災害により就職が困難な地域に居住する方
  • 災害により離職を余儀なくされた方

なお、新たな個別延長給付は恒久規定となったため、従来の期間限定の暫定措置とは異なり、今後はいつでも申請できることになります。

いずれの制度も、リーマンショック以降の暫定措置に比べると、対象者の範囲が非常に限定的になりました。

失業保険の受給期間延長で、延長できる条件・対象者

失業保険の受給期間延長は、以下の理由に当てはまる場合のみ申請が可能です。

 

  • 妊娠・出産・育児(3歳未満に限る)などにより働くことができない
  • 病気やけがで働くことができない(健康保険の傷病手当、労災保険の休業補償を受給中の場合を含む)
  • 親族等の介護のため働くことができない。(6親等内の血族、配偶者及び3親等以内の姻族)
  • 事業主の命により海外勤務をする配偶者に同行
  • 青年海外協力隊等公的機関が行う海外技術指導による海外派遣
  • 60歳以上の定年等(60歳以上の定年後の継続雇用制度を利用し、被保険者として雇用され、その制度の終了により離職した方を含む)により離職し、しばらくの間休養する(船員であった方は年齢要件が異なります)

 

上記の理由で、連続して30日以上働くことができない場合、受給開始時期を延長することができます。ただし、受給期間延長申請の際、延長理由を証明する書類を提出する必要があります。

失業保険の受給期間延長で、延長できる期間

妊娠や病気、怪我などの理由(定年以外の理由)で受給期間を延長する場合は、最大で3年間延長することができます。また、定年後の受給期間延長については、最大で1年間の延長が可能です。

つまり、元々の受給期間1年間にプラスして最大で4年間は受給資格の延長が可能ということになります。(定年後の場合は最大2年間)

失業保険延長の手続き(申請申込)ができる期間

妊娠や病気、怪我などの理由で失業保険の受給期間延長を申請する場合、”働けない状態が連続して30日以上経過した翌日から延長後の受給期間の最後の日まで”に申請手続きをする必要があります。

従来の制度では、”働けない状態が連続して30日以上経過した翌日から1ヶ月以内”に申請手続きをする必要がありましたが、平成29年4月1日の法改正により、受給期間延長の申し込み期限が大幅に延長されました。

つまり、これまでは受給期間延長をしたい場合、速やかに申請手続きを済ませる必要がありましたが、法改正で申請期限が延長されたおかげで、余裕を持って申請手続きを行えるようになりました。

しかし、申請期限まで余裕があるからといってあまりに遅い時期に手続きをすると、延長期間が終わるまでに失業保険手当の全てを受給できない可能性があるため、やはり手続きはできるだけ速やかに行うことをおすすめします。

失業保険延長の手続きの必要書類

ここでは、受給期間延長の手続きに必要な書類を解説します。1つでも足りないと手続きができないので必ず確認しましょう。

1.受給期間延長申請書

お住まいの地域を管轄するハローワークで配布しています。地域によって、ウェブ上でダウンロード可能なところと、窓口に直接取りに行かなければならないところがあります。

まずは、最寄りのハローワークのホームページを見てみましょう。

2.雇用保険被保険者離職票-1

通常、退職後に会社から郵送されます。雇用保険に加入した日、離職日などの情報が記載されています。失業保険の給付額に影響があるため、記載されている情報が間違っていないか必ず確認するようにしましょう。

3.雇用保険被保険者離職票-2

離職票−1と同様に、会社から送られてきます。事業主の情報や、離職前の賃金の支払い情報が記載されています。ここに記載された賃金の支払い情報によって、失業保険の受取額が決定します。

通常、離職票-1,-2はどちらも会社から送られてくるものですが、中にはこちらから催促しないと送付してくれない企業もあるようです。退職後、なかなか離職票が届かない場合は、会社の総務部などに連絡し、速やかに手配を済ませてもらいましょう。

4.印鑑

受給期間延長の申請には印鑑も必要です。認印で申請可能なため、忘れずに持参しましょう。

5.必要な証明書など(診断書、傷病手当金支給申請書コピー等)

申請の理由により、証明書の提出を求められることがあります。例えば妊娠や出産により延長申請をする場合は、母子手帳のコピーなどを添付する必要があります。

申請理由によって提出する証明書の種類も異なるため、管轄のハローワークに問い合わせましょう。

失業保険の延長を解除する方法

受給期間延長後、就職活動を行えるようになると、延長の解除が可能になります。

お住まいの地域を管轄するハローワークに行き、以下の書類を提出して解除の申請をします。

  • 受給期間延長通知書
  • 身分証
  • 離職票-1, -2
  •  写真2枚
  • 本人名義の通帳またはキャッシュカード
  • 印鑑

その後、求職の申し込みをして所定の手続きを踏み、ハローワークの認定を受けて失業手当の支給が開始されます。

なお、認定後に継続して失業手当を受け取るためには、定期的に就職活動を行なっていることを証明する必要があります。

失業保険の延長に関するよくある質問

失業保険の延長でよくある質問をまとめました。しっかりと確認し、すぐに行動できるようにしましょう。

失業保険の延長手続きする場合(出産・妊娠の場合)の手続きは

妊娠や出産などの理由で受給期間延長の手続きをする場合は、必要書類をハローワークに提出します。書類の提出は、窓口来所・郵送のどちらでも可能です。また、委任状を用意して代理人に提出を委託する方法もあります。

公共職業訓練を受けると失業保険はどのくらい延長するのか

職業訓練を受けている人は、訓練受講中は失業保険の受給期間が延長されます。この制度を「訓練延長給付」といい、訓練を受けるための準備期間、訓練受講中、訓練終了後に再就職が困難な期間に訓練延長給付が適用されます。

職業訓練は最長での2年までのコースがあり、その期間は訓練延長給付が受けられます。また、訓練終了後に再就職が困難な場合は、最大で30日まで訓練延長給付を受けることができます。

失業保険の延長手続き期限が過ぎた場合は、どうなるのか

平成29年4月1日の法改正により、受給期間延長の手続きが可能な期間が大幅に延長されました。

”延長後の受給期間の最後の日まで”申請が可能になったため、最長で4年間は申請ができることになります。しかし、この期間を過ぎてしまうと再申請はできなくなってしまうので注意してください。

ただし、平成29年4月1日前に申請したが、申請期限を過ぎていたために延長が適用されなかった場合、ハローワークに問い合わせれば再度申請ができる可能性があります。法改正前に受給期間延長の申請期限を過ぎてしまった人は、念のためハローワークに問い合わせてみましょう。

受給期間延長申請書はどこでもらえるか

受給期間延長申請書は、地域を管轄するハローワークで配布されています。また、ウェブ上であらかじめダウンロード可能な場合もあります。まずは、お住まいの地域を管轄するハローワークのホームページをチェックしてみてください。

失業保険の延長制度を上手く利用して、失業保険を受け取ろう

失業保険は、転職活動中の生活を支えてくれる重要な制度です。しかし、制度の仕組みや活用方法を知らないと、せっかくの手当も受け取れないまま期間が過ぎてしまう恐れがあります。

まずはしっかり制度の概要を理解し、自分のライフプランに合わせて延長制度をうまく利用してください。

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